Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学   ケン・シーガル

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Apple製品によく付けられている「i」の文字の名付け親であるケン・シーガルが、自らの経験を元に書いた本。

Apple(というかジョブズ)が貫こうとしているシンプルの哲学がどういうものかが描かれている。

 

 

ユーザーにとってシンプルな製品であるということはどういうことか。ユーザーに難しさを感じさせずに新しい技術のメリットを享受してもらうには、ユーザーが負担すべき技術的コストを開発者側で吸収する必要がある。これは開発者にとっては容易ではないチャレンジである。

経営の意思決定についてシンプルではるとはどういうことか。価値があってなおかつシンプルな結論にたどり着くことは容易ではない。ともするとステークホルダーの利害を優先して玉虫色の結論を出しがちな大組織においてはなおさらだ。誰のために、何のために物事を行うのかをぶらさずに意思決定を行うためには、社内で理解を得るための努力が相当に必要になる。シンプルな結論を貫くためには、複雑なプロセスを経る必要がある。

 

このように成果物や結論がシンプルであるためには、複雑で高度なプロセスが要求される。困難な道であってもそれを貫くことが出来る意思の強さこそが、シンプルに考える力を与えてくれる。

そう感じさせてくれるエピソードが数多く盛り込まれた本だった。ジョブズがある意味で独裁的であったことは、物事にシンプルな結論を与えるために必要なことだったのかもしれないと感じた。

長年ジョブズとともに仕事をした人間だからこそ知りうるエピソードも多く、ジョブズという人物に興味がある人間にも楽しめる本だと思う。

 

カテゴリー: iPhone/iPad, 書評 タグ: パーマリンク

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